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てぃだのふぁ / AKIRA - 2006-09-19 17:06:48
本を読んで久しぶりに深くふかあ〜〜〜〜〜〜〜く考えた。

灰谷健次郎作『太陽の子』。ウチナーグチ(沖縄語)で「てぃだのふぁ」(てぃだ=太陽、ふぁ=子)。
姉に薦められて読んだ。そういえば大学の時、教育学科の教授陣の中で唯一尊敬していたゼミの教授・小川正教授も「これは最高傑作だから読みゃ〜(名古屋人なのだ、彼は。笑)」と言ってたな…。

教師、という道を断った私はあまり読みたくなかった。この人の本。決心がぐらつくのは怖かったから。

そして、ゆるぎなき一本の幹が自分の中に出来た今、やっと本を開く。まるで絵本のようなプロローグ。これは綺麗だから読もう、と思って読み進める。真っ赤な彼岸花の海の中で
親子3人がお弁当もちでピクニックをしている。真っ青な空。トンボの群れ。美しい絵とは裏腹にお父さん、お母さんの表情は曇っている。小学校6年の娘のふうちゃんだけがコロコロ笑いながらお父さんの手をとって走り回っている。
この家族が次に向かう場所は、神経科の病院である。
この美しさと残酷さが同時にある風景に惹かれ、一気に読んだ。

ふうちゃんは神戸在住の沖縄2世。両親は沖縄料理の店であるてぃだのふぁ・おきなわ亭を営んでいる。お父さんは精神を病んでしまっていて、お母さんが店を切り盛りしている。おじいちゃんがお父さんの面倒を見ている。ふうちゃん一家、この店に集まる沖縄出身の常連さん、そうでない心豊かな常連さん、ふうちゃんの担任の先生、常連の一人で沖縄出身のギッチョンチョンが連れてきたキヨシ少年たちが繰り広げていく物語。

私たちが憧れてやまない麗しの沖縄。海の色がいくつもいくつもあって、空が青すぎて、歌があふれて…。そう、沖縄と言えばみんなそんなイメージを真っ先に抱くはずだ。

この本にはそれだけでない沖縄をふうちゃんが知って、考えて、受け止めていく過程が書かれている。沖縄の戦争がどんなものだったのか。なぜ沖縄は就職率も就業率も全国最低なのか。なぜ沖縄からの出稼ぎ労働者がいじめられるのか。なぜ悲しみはすべてオキナワからくるのか。なぜそれを誰も語らないのか…。。。などなど。

強烈な本だ。本当に。夢中で読んだ。

初版は昭和53年だから、今はずいぶん時代も変わってる。
でも忘れちゃいけないこと、人生においてとっても重要なことがそこにはぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。


私はヤマトンチュウだ。ちょっと顔は南方系だが(笑)。
虐げられたことは一度もない。強いて言うならたまにいじめにあった程度で、生まれや育ちのことで差別されたことは一度だってない。だから私が語るのは偽善かも知れない。でもいつも自分なりに一生懸命考えている。こういうことは。

私にとってのオキナワ。最初は恐怖だった。
私の家にはなぜか戦争童話がたくさんあった。
「かわいそうなぞう」、「ガラスの兎」、「ひめゆりの少女たち」、「あのすずはもうならない」など、本棚にそういう本がいっぱい詰まっていた。
姉と歳が離れているので、夏休みの作文コンクールの課題図書なんかで買われたものもあるんだろう。幼い頃から読書が大好きだった私は、多分普通の子より早く戦争童話に触れている。
幼稚園くらいの私にはかなりの衝撃である。小学校2年の時にはすでに小学校高学年向けの本を読んでいる。だから幼くしてすでにどぎつい戦争ショックを受けている。
忘れられない。挿絵の女の子の瞳に浮かぶ研ぎ澄まされた悲しみ。絶望。
ほとんどの本の題材がオキナワだった。
とにかく怖かった。悲しかった。
「オキナワ」と言う言葉を聞くだけで辛くなった。そんな子供時代だった。

そんな恐怖が薄れていったのはBEGINの音楽に触れた頃から。そして沖縄出身の友達が出来てから。やさしい、明るい。みんな美人。沖縄に対するイメージはすごく明るいものになった。

心の中にはいつも沖縄に行きたいという気持ちがある。
もちろん癒されたいなというのもあるが、それよりも、あそこで何があったのかを知りたい。出来るだけたくさん。

私たちの幸せや安全は、沖縄の犠牲の上に成り立っている。多分言い過ぎではない。
・沖縄の土地の大部分は米軍基地だ。
・沖縄戦。沖縄は本土へのダメージを減らすための捨て駒だった。
・なぜ沖縄ばかり?差別意識があったんだろう。国家をあげての差別がまかり通ってたからだ。きっと。

足元を見ずに、世界平和ばっかり祈ってた自分を恥じる。
自分の国にさえあらゆる問題がある。
在日外国人問題。部落差別問題。沖縄問題。
なんで?なんも悪いことしてないじゃん。みんな生まれてきただけじゃん?
この国は同じ国で生まれた同じ肌の色、同じ言葉を使う人間でさえ差別する国なんだ。考えたら恐ろしい。こんな国が世界平和に貢献できるのか??
まずはここから変えなきゃって、今しみじみ思う。
アメリカはアメリカ人自身が自分らの頭とからだと心を駆使していい国にすればいい。うちらは大統領選挙への投票権も無いしな。でもこの国なら変えられるかもしれない。私たちの手で。

小さなことからこつこつと。
・自分に出会ってくれた人への感謝を忘れないこと。
・相手の痛みをimagineできる人間であること。
・相手が喜びそうなことをimagineし実践出来る人間であること。
・辛いことがあっても人を恨まないこと。乗り越えるために自分自身が出来ることを精一杯考えること。

それが、自分の人生訓です。

世界を変えるのは個人の心。
それが集まれば、戦争なんか起こりうるわけがない。

人の痛みに敏感な人間でありたい。いつでも。


青すぎる空に五線譜。
- コメント -
  • hiroyan - 「「太陽の子」を読み、きずいたら電車の中で泣いてました。あまりにも強い映像が心に焼き付いてしもて。 仕事を辞める前やったし、色んな本をいっぱい読んでいたけれど、これを読んで、本間の意味で戦争がどんなあかんことか、どんな辛いもんかが心の奥にズシーンと刺さった。 」-2006-09-20 22:23:39
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